「ソウルの歩道は、ベビーカーで歩けるのか」。地下鉄の駅ならエレベーターの有無を事前に調べられますが、歩道の段差や坂道までは行ってみないと分からず、街歩きの不安として残るところです。
子連れでソウル旅行を決めたあと、駅を出てからの道のりが気になり始める方も多いと思います。
結論から言うと
結論から言うと、ソウル市は2007年から歩道の段差をなくす整備を長く続けていて、区ごとに少しずつ対象を広げてきました。ただし全区・全区間に整備が行き渡ったわけではなく、通りによって進み具合に差があるというのが実際のところです。
つまり「ソウル全体がベビーカーで歩きやすい」と言い切ることはできず、訪れる通りごとに状況が違うものだと考えておいたほうが安心です。まだ手が入っていない通りには、古い段差が残っていることもあります。
訪れる予定の通りは、出発前に地図アプリの写真で一度確認しておくと安心です。それでも不安な日程が残るなら、このあと紹介するソウル観光財団の支援サービスも選択肢になります。
ソウルの歩道が段差ゼロに近づいてきた経緯
ソウル市が歩道の段差をなくす取り組みを始めたのは2007年2月のことです。「歩道段差下げ施設設置改善運用指針」のもと、歩道と車道の段差を1cm以下に下げる工事が進められてきました。
段差1cmという数字だけ見ると小さく感じますが、キャスターの小さいベビーカーにとっては、この程度の段差でもつまずきや引っかかりの原因になります。長年かけて積み上げてきたこの取り組みには、そうした意味があります。
2013年4月には「歩道ブロック10か条」という基準も発表され、段差だけでなくブロックの敷き方まで含めて整備の質を上げる方針が示されています。
2015年時点で、整備が済んだ区間は1,166か所・延長にして4,948mにのぼりました。ソウル市の説明では、これは光化門広場の李舜臣将軍像から龍山駅までの距離に相当する長さです。10年以上前の時点で、すでにこれだけの区間が積み上がっていたことになります。
2016年には鍾路(チョンノ/종로)・中区(チュング/중구)・東大門(トンデムン/동대문)・西大門(ソデムン/서대문)の都心4区1,018か所の整備が完了しました。残る21区3,924か所についても、2020年までに横断歩道と車道の段差を「ゼロ化」する方針で、順次整備が計画されていました。
明洞(ミョンドン/명동)が属するのは、この中区です。ただしこれは区単位の整備実績であり、明洞の通り一本ごとの現在の状況までは確認できていません。区の名前だけで「歩きやすい」と判断しないほうがよさそうです。
坂道の勾配については、区や通りごとに比べた公式データはありません。整備の記録として残っているのは、あくまで段差を減らす工事の実績です。高低差が気になる行き先は、地図アプリの3D表示や航空写真で事前に見ておくと、当日の目安になります。
整備は今も区ごとに進行中 — 麻浦区の例
麻浦区(マポグ/마포구)では2024年から、横断歩道の段差を下げる事業が段階的に進められています。2024年には地下鉄駅・団地・学校の周辺で134か所、2025年には段差が2cm以上残っていた113か所を整備し、合わせて247か所が完了しました。
老朽化した歩道ブロックの張り替えや、視覚障害者誘導ブロックの整備もあわせて行われています。
2020年までの整備を目指していた計画から数年たった今も、こうして区ごとに整備が続いているのが実際のところです。ソウル市内の歩道は、場所によって整備の進み具合に差があるということになります。
麻浦区の例では、整備の対象になったのは主に横断歩道で、地下鉄駅や団地・学校の周辺から優先して進められました。商店街の中の細い通りまで整備が行き届いているとは限りません。
区ごとの整備状況をすべて調べるのは現実的ではありません。滞在するホテルの周辺や、よく歩く通りだけでも事前に見ておくと、旅行中の心配ごとを減らせます。
心配な区間は、地図アプリのストリートビューで一度歩道の様子を見ておくと、当日の判断材料になります。

困ったときに頼れるバリアフリー旅行支援
段差や坂道がどうしても不安なときのために、韓国観光公社は「ソウルダヌリム観光(서울다누림관광)」という支援サービスを紹介しています。運営はソウル観光財団で、障害者や高齢者、乳幼児を連れた旅行者など「観光弱者」が対象です。
車椅子用リフトの付いた車両の運行や、車椅子・ベビーカー・スロープなど旅行補助器具12品目24点の貸出が案内されています。「観光弱者」という言葉の対象に乳幼児を連れた旅行者も含まれている点は、覚えておいて損はありません。
歩道の状況が読めない区間が続く日程を組んでいるなら、出発前に問い合わせておく価値があります。こうしたサービスの存在を知っておくだけでも、「詰んだらどうしよう」という漠然とした不安は減らせます。

まとめ
要点をもう一度まとめると、ソウルの歩道は2007年から段差をなくす整備が長く続けられてきましたが、その整備は今も区ごとに順番で進んでいる途中です。整備が済んだ通りとまだ手が入っていない通りが混在しているのが、ソウル市内の歩道の実際の姿です。
次の行動としては、訪れる予定の通りを地図アプリで確認しておくこと、不安な日程があればソウルダヌリム観光への問い合わせを検討しておくことをおすすめします。
次は、2歳とベビーカーで回るソウル2泊3日 冬のモデルコースの記事で、今回の内容も踏まえた回り方をご紹介します。
よい街歩きになりますように。
参考にした公式情報
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この記事を書いた人
ソウルママ・キム — ソウル在住のワーママ。2歳の子を育てながら、日本のママたちに向けて授乳室・ベビーカー・離乳食のリアルな情報を届けています。 このブログでは、実際に子どもと歩いて確かめたことだけを書いています。



