韓国の家庭には、おむつ替え台はあるのか。外に出たとき、赤ちゃんはどこで替えるのか。育児グッズを調べていて、この二つが気になった人は多いはずです。
家庭での使われ方と、公共施設・授乳室の決まりを分けて整理します。数字は国の機関の発表と報道、レビューサイトの書き込みをもとにしています。
(2026年10月時点、1,000ウォン≒110円で円換算しています。)
もくじ
結論から言うと
家庭のおむつ替え台は、レビューによると、寝返りを始めるまでの約5〜6か月が使う目安の短期の道具です。買うかどうかは家庭で分かれていて、「床やベッドでも替えられる」という声と「腰が楽になる」という声の両方があります。
外出先は、公共施設のトイレと家族授乳室(カジョクジュニュシル/가족수유실)を軸に動くのが基本です。公衆トイレ等に関する法律の対象施設では、男女どちらのトイレにもおむつ交換台を置くことが定められていて、授乳室のうち交換台が必須なのは家族授乳室です。ただし設備は施設ごとに差があります。
家庭のおむつ替え台は「寝返りまで」の道具
韓国のママ向けレビューサイト(mom-mom.net)に並ぶ家庭用のおむつ替え台は、おおまかに三つの形に分かれます。
- 脚付きの据え置き型 → キャスター付きで折りたためるものが多く、横や下に収納棚がつきます
- チェスト(引き出し)型 → 収納家具を兼ねて、上でおむつを替えます
- 携帯用のパッド → 外出先で赤ちゃんを寝かせるためのものです
使い方は、おむつ替えだけではありません。着替え、ローション塗り、爪切りなどを一か所で済ませる台として使われていて、お風呂のそばに置く人が多いようです。防水パッド(パンスイパッド/방수패드)を敷く前提で、製品によってはパッドが別売りで、その点が不満に挙がっています。
いちばん多い不満は、使える期間の短さです。レビューは、寝返り(뒤집기)を始める前までの約5〜6か月が目安だと書いています。寝返りのあとは、安全ベルトがあっても落下が心配で使いにくくなるという声です。

価格は7万ウォン台の製品があり、約7,700円です。防水パッドを足して79,800ウォン(約8,800円)になったというレビューもあります。ネット販売の簡易型でも8万ウォン台の表示があります。
出産前は「床やベッドでも替えられるのに、7万ウォンは高い」と迷った人が、産後に腰の負担を感じて買ってよかったと書いている例もあります。
高さについては、腰をかがめずに済む反面、身長150cm台だと赤ちゃんを乗せにくい(背が高いほど楽)という書き込みがありました。台は大きめなので、置き場所が小さい家には向きません。
7万ウォン台の台を使う期間は、半年足らずです。迷ったときの目安は、置く場所の広さと、世話をする人の背の高さになります。
家庭用の台の落下事故は、0歳に集中している
おむつ替え台は、使い方を誤ると赤ちゃんが落ちる道具でもあります。韓国消費者院の危害監視システムには、2020年から2023年6月までに171件の事故が登録されています。すべて、乳幼児が交換台から落ちた事故です(イートゥデイ、2023年8月の報道)。
年別では、2020年が7件、2021年が19件、2022年が78件、2023年は上半期だけで67件でした。0歳児が157件(91.8%)を占め、頭や顔のけがが166件(97.1%)です。内訳は打撲83件、脳震盪40件でした。
産業通商部の国家技術標準院(국가기술표준원)と韓国消費者院(한국소비자원)は、2025年11月に「おむつ交換台の安全事故予防キャンペーン」を出しました。家庭で多く使う交換台で、子どもが落ちたり手足が挟まったりする事故が起こりうるとして、次の5点を案内しています。
- 台の上の子から目を離さない
- ベルトがあれば必ず着ける
- 台の上で寝かせない
- 台の隙間に手足が挟まらないようにする
- 使う前に、窒息の恐れがある小さな部品が落ちていないか見る
イートゥデイの報道では、寝返りができる月齢にはとくに注意するよう案内されています。
外出先は、公衆トイレの交換台が法律で決まっている
家の外では、決まりごとが変わります。公衆トイレ等に関する法律(공중화장실 등에 관한 법률)の第7条の2第2項は、公衆トイレに、行政安全部令で決めた規格の乳幼児用おむつ交換台を、男性トイレと女性トイレの両方に設置するよう定めています。
対象はもともと、高速道路の休憩所、地下鉄駅、鉄道駅、空港でした。2018年11月22日からは、文化・集会施設、総合病院、図書館、公共業務施設が加わっています(서남권직장맘지원센터の解説、2024年8月)。
法律はありますが、男性トイレに台がない場合があると、2024年の記事が書いています。これまでは交換台が女性トイレや授乳室にしかなく、博覧会場や野外劇場、記念館の男性トイレにはない場合があったという内容です。
保健福祉部の社会ビッグデータ分析(2017年発表)では、父親の育児の不便として男性トイレの交換台不足が挙がり、インフラ不足に関する投稿の18%を占めました。
使えるのは母親だけ、というわけでもありません。2018年の全国調査では、授乳施設のうち父親が使えるのは63.1%で、残る36.9%は父親の立ち入りを止める表示がありました。
2026年7月の報道は、百貨店の家族授乳室で調乳をしていた父親(生後5か月の子)が、ほかの利用者に抗議されて退室した例を伝えています。父親の利用は増えていて、こうした例も報じられています。
授乳室は2種類 おむつ交換台が必須なのは家族授乳室
韓国の授乳室(ジュニュシル/수유실)は、仁川広域市の乳幼児政策課の案内(2022年6月)によると、2種類に分かれます。

- 母乳授乳・搾乳室(모유수유/착유실) → 母と赤ちゃんだけが使えます。目安は10㎡以上で、必須の備品はソファ、テーブル、手指消毒剤です
- 家族授乳室(カジョクジュニュシル/가족수유실) → 父など育児をする家族も使えます。授乳、おむつ交換、離乳食の準備に使い、目安は15㎡以上です。必須の備品はソファ、テーブル、手指消毒剤、おむつ交換台、仕切りです
つまり、授乳室の看板があっても、おむつ交換台があるとは限りません。交換台が必須の設備なのは家族授乳室のほうです。
2018年1月から7月に保健福祉部が全国3,259か所を調べた調査では、おむつ交換台がある授乳施設は2,363か所(72.5%)でした。設置場所は、公衆(多重)施設が31.7%、公共機関が24%、公共庁舎が23.3%、交通施設が15.3%です。1日の利用者が10人以下の施設も82.3%ありました。
ソウルの地下鉄では、2019年の時点で、1〜8号線の277駅のうち独立した授乳施設があるのは88駅(約31%)でした。そのうち22か所は常時開放されておらず、職員を呼んで開けてもらう形でした。
授乳施設を探すときは、検索サイト「수유정보알리미(スユジョンボアルリミ)」が使えます。「내 주변 수유시설 검색(周辺の授乳施設を検索)」から、地図で位置を見られます。
2025年のKNNの報道では、父親も使える家族授乳室なのに「母のみ」と表示される例が出ています。家族授乳室と案内されているのに、現場の看板が「母乳授乳室」でおむつ交換台がない例もあります。サイトの表示と現場が食い違うことがある、と知っておくと慌てずに済みます。
現場の表示は「수유실」か「유아휴게실」です。建物の入口とフロア案内図に、授乳のイラストを使った案内を出す原則が、仁川広域市の案内に書かれています。
外食やカフェでは、設備に差がある
トイレや授乳室と違い、飲食店やカフェの設備には店ごとの差があります。赤ちゃん連れ向けの大型屋内カフェには、授乳室とおむつ替え台が別室でそろう店があります。
一方で、遊び場はあっても授乳室・おむつ替え台・ベビーカー貸出がないカフェの例もあります。個人経営の店ほど、設備の差が出ます。
在韓外国人のブログには、韓国のママたちの行動がこう書かれています。
百貨店など新しい施設にはおむつ交換台のあるきれいなトイレがあるので、ママたちはそういう場所に行く。外食先(カルビ店の例)に交換設備はなく、「どこかで替えられなければ替えない」。台がない場所で替えるにはトイレが汚いことも多い、という内容です。
このため、外出先のおむつ替えは、携帯用の備えで補う人もいます。食堂やカフェ、授乳室で赤ちゃんを寝かせる携帯パッドがその一つです。
2026年6月には、ユハン・キンバリーが外出先用の使い捨ておむつ交換マット「Depend Moms Baby Hygiene Mat」を発売しました。理由は、外出先のおむつ替えで感染や衛生を心配する親が多いからと説明されています(ヘラルド経済、2026年6月の報道)。
まとめ
家庭のおむつ替え台は、寝返り前の約5〜6か月が使う目安の道具で、買う家と買わない家があります。使うなら、ベルトを着けて目を離さないことが、国の機関の案内の中心です。
外出先は、家族授乳室かトイレの交換台がある場所で替えるのが基本です。飲食店やカフェは店ごとに設備の差があります。
次回は、哺乳瓶の洗い方を、韓国の消毒乾燥機の文化と日本の手洗いで比べます。
おむつまわりの暮らしを、もう少し一緒に見ていきましょう。
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参考にした公式情報
- 産業通商部 国家技術標準院・韓国消費者院「おむつ交換台 安全事故予防キャンペーン」2025年11月(韓国語)
- 仁川広域市 授乳施設の設置・運営案内(韓国語)
- 수유정보알리미 授乳施設検索(韓国語)
- イートゥデイ「기저귀 교환대서 ‘꽈당’…영유아 낙상 사고 3년여간 171건」2023年8月(韓国語)
- 서남권직장맘지원센터「공중화장실법 개정」2024年8月(韓国語)
この記事を書いた人
ソウルママ・キム — ソウル在住のワーママ。2歳の子を育てながら、日本のママたちに向けて授乳室・ベビーカー・離乳食のリアルな情報を届けています。 このブログでは、ソウルでの暮らしと公式情報を確かめたうえで書いています。



